長年、薬局で血圧手帳をいただき記録していた親によると、最近は手帳がもらえなくなったとのこと。物価の高騰やスマートフォンアプリの普及などが影響しているのかもしれませんが、高齢の親にとっては、今まで通りの使い勝手が何よりです。血圧記録は継続が大切。そこで、もらえないなら自作することにしました。
作成したPDFをダウンロードし、印刷することで、簡単な血圧手帳としてお使いいただけます。
長年使用していた血圧手帳はこちら。朝・昼・夜の記入欄があるこの記入フォーマットに準じて作成しています。
- VIATRIS アムロジピン「ファイザー」を服用される患者さんとご家族の方へ
製造販売:ファイザーUPJ合同会社
販売:ヴィアトリス製薬株式会社


血圧手帳の自作
無料でいただいていた血圧手帳は書き慣れたフォーマット
高血圧の薬として、「アムロジビンOD錠2.5mg」を長年使用してきた親は、薬局から無料でもらえる血圧手帳「VIATRIS アムロジピン「ファイザー」を服用される患者さんとご家族の方へ」に記録し続けていました。
2025年に入った頃、血圧手帳の配布がなくなったと薬局の薬剤師から伝えられました。
血圧手帳ならば、何でも良いだろうと思って、別の大きめの薬局の薬剤師に聞くと頂けたのでほっとしました。
血圧手帳は東和薬品のもので、親に手渡すと、記入欄が今までと違うから別なのが良いとのこと。確かに、「昼」の項目がないため今まで通りの記入は無理でした。グラフがあるのでこれも便利ではありますが、他を探すことにします。

次に100均で探したところダイソーで見つけましたが、記入フォーマットが買わないとわからないため、ひとまず購入してみます。中身を見ると、これも「昼」の欄がなく、今までの記入スタイルに合わないため見送ることにしました。

ネットで公開されていて、ダウンロードしてプリントアウトできる血圧手帳もいくつか見つけましたが、書き慣れた記入フォーマットのものは見つかりませんでした。
自作した血圧手帳
血圧手帳の記入フォーマットがここまでバラバラだとは、正直驚きでした。
もう自作した方が早いと判断して、早速作り込みました。
以下では、自作フォーマットのPDFダウンロード方法から、印刷・製本までの手順をご紹介します。

PDFのダウンロード
エクセルで自作し、PDF形式で出力した簡単な血圧手帳です。
エクセルで自作し、PDF形式で出力した血圧手帳です。個人情報は削除済みです。
記録欄のレイアウトや配色については、VIATRIS社の配布していた血圧手帳を参考にしています。
商標・著作権への配慮として、デザインやレイアウトは一部変更しており、自作・非営利の個人利用を想定したものです。
表紙の色は、お二人で記録することを想定して、黄色ベースと緑ベースの二色を用意しました。
作成・配布:TKDタワー個人商店(https://tkd-tower.com)によるものです。
本PDFは、非営利かつ個人利用を前提として無料配布しています。改変・再配布はご遠慮ください。
作成日:2025年6月 / 最終更新日:2025年6月(作成・配布元を明記しました)
製本作業に使った道具・材料
今回、血圧手帳を自宅で製本するために使用した道具や部材を紹介します。
- プリンター : Canon TS3130 インクジェットプリンター
- 表紙用の紙 : ダイソーの「A4サイズ 片面コート厚紙6枚」
半分にしてA5サイズにしてプリントアウトします。

- 記録用の紙 : 普通のA4 PPC用紙、半分にしてA5サイズにしてプリントアウトします。
- ホチキス : 100均で購入。アームを開いて製本用に中綴じができるタイプを使用。
雑誌のような中央留めが可能です。

製本作業:表紙のプリントアウト
まずは表紙をプリントアウトします。表紙は厚紙にすることで、手帳としてよりグレードがアップするので、ぜひ厚紙をご利用ください。
また表紙には、黄色ベースと緑色ベースの二色を用意しましたので、夫婦で使い分けたり、2冊目用と分けたりしてご利用ください。
- Step1印刷用紙の準備
A4の「片面コート厚紙」を半部にカットしてA5サイズにします。
- Step2ツルツル面を印刷面にセットする
- Step3PDFを開いて印刷設定後に印刷開始
印刷設定は次の点を注意して印刷します。
※プリンター機種により設定画面や用紙設定の表記が異なる場合があります。ご自宅のプリンターに合わせて調整してください① プロパティへ進みます
② 印刷機能:モノクロ印刷なし(カラー)
③ 出力用紙:A5 横
④ 印刷前にプレビュー表示あり
⑤ プロパティ終了
⑥ グレースケール印刷なし(カラー)
⑦ 印刷開始 - Step4印刷実行
プレビュー画面が出てきます。用紙・方向に問題なければ、「印刷開始」を押します。
- Step5印刷完了
プリントアウトできたら、乾くまでしばらく放置します。
※コート紙はインクが染み込みにくいため、にじみ防止のために十分な乾燥時間を設けましょう。
製本作業:記録紙のプリントアウト
記録用紙は普通紙を使います。普通紙を両面印刷すると少し透けますので、気になる方は厚めの用紙をお使いください。使っている分にはあまり気にならないと思います。
冊子として必要なページ分だけ印刷します。1ページ7日分で2ページ両面印刷するので28日分となります。必要枚数の例を列記します。
参考とした血圧手帳: 3.5枚 ➡ 4枚プリントアウト
半年用の手帳:6.5枚 ➡ 7枚プリントアウト
1年用の手帳:13.1枚 ➡ 14枚プリントアウト
- Step1印刷用紙の準備
A4普通用紙を半部にカットしてA5サイズにします。
- Step2A5用紙をセットします
用紙トレイや手差しトレイに、カットしたA5用紙をセットします。
- Step3PDFを開いて印刷設定後に印刷開始
印刷設定は次の点を注意して印刷します。
① プロパティへ進みます
② 印刷機能:両面印刷、モノクロ印刷なし(カラー)
③ 出力用紙:A5 横
④ 印刷前にプレビュー表示あり
⑤ プロパティ終了
⑥ グレースケール印刷なし(カラー)
⑦ 両面印刷:短辺を閉じる
⑧ 部数:必要枚数に設定(最初は1部でお試しください)
⑨ 印刷開始 - Step4印刷実行
プレビュー画面が出てきます。用紙・方向に問題なければ、「印刷開始」を押します。
- Step5手動で両面用に用紙を再セットします
手順に従い用紙を設定して再開します。
- Step6印刷完了
必要枚数分ブリントアウトしたら完了です。
製本作業:ホチキス留め
表紙と記録紙の準備ができたらあとはホチキスで留めるだけです。仕上がり具合に影響しますので丁寧に作業します。
- Step1用紙を半分に折る
表紙、記録紙を半分に折ります。壁など直線的なものに当てながら折るときれいに半分になりやすいです。
- Step2クリップなどで仮止め
ホチキス留めをするため、クリップなどでずれないように仮止めします。
- Step3ホチキスで貫通
表紙側からホチキスの芯を2か所通します。下に不要な雑誌や厚紙などを敷いて打つと芯が貫通しやすくなります。上下から3㎝を目安にするとバランスが良くなります。芯が中途半端に止まると裏面で折り曲げにくいため、手応えを感じるまでしっかり押し込みましょう。
ここが一番難しいポイントでした。 - Step4ホチキスを折り曲げる
飛び出したホチキスの芯を、スプーンの背などで押し付けて折り曲げます。
- Step5完成
完成しました。
表紙が十分に乾く前に作業したため、インクがにじんでしまいました。
※乾いてから作業するか、印刷後に一晩置くと安心です。
まとめ
この記事では、VIATRIS社が配布していた血圧手帳を参考に、自宅で印刷・製本できる「自作血圧手帳」の作り方をご紹介しました。
専用のフォーマットをダウンロードし、インクジェット対応の厚紙や記録紙を用意することで、簡単にオリジナルの血圧手帳を作ることができます。用紙の印刷設定から、ホチキスによる製本手順まで、画像付きで詳しく解説しました。
市販の手帳が手に入りにくくなった現在でも、必要な形で血圧記録を続けるための選択肢として、このような自作手帳は有効です。ご自身やご家族の健康管理に、ぜひ活用してみてください。